庄内のサワラ、うまいんだから 漁業者らが地元で消費拡大作戦
- 2015/10/30
- その他・活動
庄内のサワラ、うまいんだから 漁業者らが地元で消費拡大作戦
日本一のサワラと評され、今が旬の「庄内おばこサワラ」。ブランド魚として認知度は高まってきたものの、多くが東京の築地市場に出荷され、庄内地方で食卓に上る機会は少ない。地元の人たちにおいしさをもっと知ってもらい、消費拡大につなげようとの動きが、漁業者や民間有志の間で広がっている。
南方系の魚であるサワラは、西日本を中心に加工対象魚として重宝されてきた。近年、温暖化の影響で庄内沖での水揚げ量が増えると、地元のはえ縄漁師でつくる「庄内おばこサワラブランド推進協議会」(鈴木重作会長、17人)が独自の生け締め・神経抜き技術を編み出し、長期間の鮮度維持を可能に。通常のサワラが1キロ千円前後なのに対し、おばこサワラは2千円前後で取引されている。
同協議会は昨シーズンまで、県漁業協同組合を通して築地市場を中心におばこサワラを出荷してきたが、今シーズンからは各メンバーが地元の飲食店や宿泊施設などへの販売を始め、消費拡大を図っている。
鶴岡市立加茂水族館内のレストラン「魚匠ダイニング 沖海月」(須田剛史料理長)は先月20日から同協議会と協力し、刺し身をメーンにした定食をスタート。12月ごろまで1日20食の数量限定で提供している。価格は1300円。
今月27日には、同市鼠ケ関の「鮨処(すしどころ) 朝日屋」(佐藤丈典店主)が、おばこサワラを知り味わってもらうイベント「知食会」を開催。参加者約30人が、同協議会メンバー阿部一行さん(71)=同市鼠ケ関=の講話や佐藤店主による解体ショーを楽しみ、にぎりずし、しゃぶしゃぶ、焼き物など8品の懐石料理を堪能した。
知食会に参加した酒田市東泉町2丁目、自営業岡本丈夫さん(35)は「鮮度を維持し、うま味を引き出す、漁師の丁寧な仕事ぶりに驚いた。脂の乗りがよく、刺し身でも熱を通してもおいしかった」と話した。
朝日屋では12月ごろまで、予約に応じてコース料理を提供する。価格は3240円から。
2015年10月29日山形新聞ニュースオンラインより