3.11

3.11
女将は当時大学四年の卒業間近。

ゴールデンスランバ
『かつてそこには故郷へと続く道があった。』
女将の第二の故郷大船渡。
通い慣れたばあちゃん家に行く道が分からない。見つかったご遺体に手を合わせている人を横目にばあちゃん家へ向かう。思っていた道と違う道を通って。
目印にしていたスーパーもお家も何もない。秘密基地みたいで好きだったじいちゃんの長屋もない。
すっかり変わった町の風景と変わらずキラキラと輝く青い水平線が対照的だった。母が泣かないから私は泣けない。それでもやはり涙は流れるもので後部座席で泣きながらばぁちゃん家に向かった。そんな7年前。
翌年、大槌町でお仕事をした。当時の教え子の三年生も今年成人式を迎えた。屈託のない笑顔で迎えてくれた子供達。本当は一人一人がたくさんの抱えきれない思いを抱いて大人になっている。
山形にいると仮設に住んでいた時と違って震災を思い出す事が少なくなったように思う。でも忘れたわけではない。当時の事、当時の子供達の表情、今も忘れられません。
いつか大人になった子供達がゴールデンスランバを一緒に飲めたなら…たぶん当時を思い出し涙を流すと思います。でも7年経って成長した子供達、社会に出て頑張ってる姿、そんなんみたらもっともっと涙を流すと思います。嬉し涙を。

3.12ゴールデンスランバ入荷しました
被災地に献杯。
今を、自分の人生を精一杯生きている自分に乾杯。

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