ほていや商店です。

ほていや商店です。
今日は「カネヤマ商店」について。
 
まずは、25年前の肘折で古い話を蒐集したカセットテープがあります。
 
~カネヤマ商店は金山(きんざん)の盛んな時に、金山(かねやま)から来たのよ。あの人。新庄の向こうの金山から。そっちの方から出てきたのよな。もう猟師でな。鉄砲撃ちの上手な爺さんで、まず鉄砲撃ちなら百発百中だから。
婆ちゃんば鉱山盛りの時、戸一枚はがしてよ、その上さ、いろいろな小間物の店したがったんだな、
それがこんだ流行ってな、まず売れたもの売れたもの、まず大金持ちさなってしまった。~(多少略しています。)
 
カネヤマ商店が肘折にやってきた詳しい年代については不明ですが、
大蔵鉱山が盛りの時ということなので、明治後期ごろではないかと思います。(大蔵鉱山の本格稼働は明治36年。)
 
肘折にやってきた当初にわらじを脱いだのが藤屋旅館(現ほていや商店)です。
藤屋の一階部分を借り商店を始めました。(写真2枚目 右の店)
その当時の屋号は「須藤商店」といいました。(写真3枚目)
 
現在の位置に移ったのはおそらく昭和5~7年頃。
 
昭和5年発行のパンフレットの俯瞰図では現在の位置に「肘折医院」があり、カネヤマ商店はありません。(写真3枚目の須藤商店発行のパンフレット地図にも同じ位置に肘折医院が記載されています。)

そして2年後、昭和7年に肘折を訪れたこけし蒐集家・橘文策は、共同浴場(上の湯)の隣にあるカネヤマ商店でこけしを買っています。(著作「こけしざんまい」より、カネヤマ商店と名前は出てきませんが、内容からしてまず間違いありません。)
 
昭和10年代に発行したパンフレットには「カネヤマ商店」と表記があるので、現在の場所に移ると同時に、須藤商店からカネヤマ商店へ屋号替えをしたのではないでしょうか。
 
上記の橘文策は、地区内唯一の奥山運七こけし特約販売店であったカネヤマ商店で数本の運七こけしを購入して帰りました。
今では、山形県内にすら1本も無い超貴重なこけしです。
何と羨ましい!ええい、タイムマシンはまだ出来ないか!

カネヤマ商店の歴史には、「肘折ドリーム」が散りばめられています。

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