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|美味しいね!って言えること|
接客する時は、僕はあんまりコーヒーのことを話していないことがけっこうあります。
それじゃ~なにを話しているかというと、美味しい食べ物の話や、最近はもっぱら子育て。白熱していくとモノを作る話や、社会で起こっていることを肌で感じたことのとやりとり。教育や哲学っぽいことまで発展することもチラホラです。
コーヒーの美味しさをお伝えしたり、感じ会う時は風味に留まらず、多岐に渡ってお話しをしているうちに、互いに何を大切にしているか理解することができますし、そんな互いを知ることがきっかけで、僕らのコーヒーとお客様とのお付き合いが始まったりします。時には未熟な自分に新たな視野をお客様から分けていただくこともあります。
これはなんとも豊かな時間だなと思うわけです。
そんな中でも、やっぱり「美味しい」って感じれることは人が最初の、そして生きている上での豊かな幸せを実感できる瞬間だなと思います。
お野菜でも、果物でも、ご飯でも、ケーキでも、コーヒーでも。
誰かが愛情を込めて、向き合って作ったもの。
それを食べて豊かさを感じられる人は、いろんな人の愛情を幸せに感じる力があったり、ありがたいと思えたり、お互い様の感覚を持てる人だと思うのです。
うちの1歳のチビを見ていると面白いほどに「うまいね~」って幸せな笑顔をしてご飯を食べます。(ちょっと親バカ入ります)
数日前にママが留守で、下手くそな朝飯を僕が作って食べさせた時も、「うまいね~」ってペロリしてくれました。
先日は、大好きなはずのお昼ご飯の「つっぱりうどん」を僕の口に無理やり突っ込んで、「うまいね~」って分けてくれました。
自分が美味しくて、嬉しいというものを、息子が分けてくれるという初めての行動に、なんだか感じるものがあります。
僕はコーヒーという飲み物が、そんなふうに飲んでもらえたら嬉しいなと感じています。
SNSがインフラとして当たり前になった現代。
ある程度の情報収集やモノを選択でき、自分にとって損か得かを取捨選択してから行動することが可能になりました。
コーヒーのお客様を見ていても、皆さん、驚くほどの情報や知識を増してご来店されている気がします。
ただ「俄かな知」に翻弄されて、自分で感じることを後回しにしてしまうと、主体性は見る見る失ってしまいますし、本当の楽しみを実感できません。
やっかいなのは、自分の中で感じないまま頭だけがグルグル。
そして他人の価値・情報の信仰者になり、自らも傲慢になってしまう。
世の中が、どんどん損得勘定に比重が高まり、ワガママになってしまう今の時代と平行している気がするのです。
自分で感じること。そのことを楽しみ始められたら、この飲み物は皆さんにとって、表層的な存在から一歩先の、実感のある存在として暮らしに寄り添い、楽しい豊かな時間をもたらしてくれるはずじゃないかな。
いずれ終わるブームの先に、この飲み物が皆さまにとって、本当の相棒になり、愛飲家の皆さんが豊かな人生を送ってくれるもになっていきますよう。
コーヒー豆屋店主の久しぶりな長い独り言でした。とさ。
さて今日も、焙煎頑張るぞ~
この記事はこちらのフェイスブックページを抜粋しました。※お問い合わせやご予約の際は【山形アーカイブス】を見たとお伝えください。