【風流という言葉】
- 2018/11/18
- 観光最上地方
【風流という言葉】
新庄まつりでの山車で不思議なこと。
歌舞伎の名場面にしろ、物語の名場面にしろ、同じ山車の上に満開の桜桜・枝垂れ柳・あやめ・牡丹・もみじ真っ盛りの紅葉と同一場面にはあり得ないことが山車の上では普通に行われています。
これをよくよく考えてみれば、山車であれ、その上の造り物であれ、つまりは神を招くための標であり、神への供え物であるのかもしれません。
これを奉るものとしては最もふさわしいもの、つまり花にしても木にしても、最も美しいものを捧げるのは当然のこと。
春には春の美・秋には秋の美がありますが、神に捧げる物であるからには季節の別を問わず、最も美しい花々を供えるという事はむしろ当然のことなのかもしれません。
山車の外題「風流(ふりゅう)」は、この場合『華やかに雅をこらす』という意味でわざと大袈裟な飾りをつけた華美な服装でおもしろおかしく踊る歌舞や物語や和歌の場面を造りものとして表現したり、華やかな山車を作って市中を巡回するごとき物を総称して言う様です。
従って、とんでもない隈取りをした荒男が現れたり、オバケねこへび架空の妖怪が出現するのは当然であり、このことからすると同一の山車に桜桜が飾られもみじ紅葉が植えられているのも不思議ではないのかもしれません。