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【パンの放射性物質計測結果について】
- 2018/10/5
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【パンの放射性物質計測結果について】
いつもご利用いただき、ありがとうございます。
先日、薪窯で焼いたパンを計測機関に持参し、放射性物質の測定を行いました。
検査の結果、N.D.(不検出)でした。
同時に、薪を燃やした後に残る灰の測定も行いました。
こちらからは、1キログラム当たり888ベクレルという数値が検出されました。
少し長くなりますが、私個人の見解を述べさせていただきます。
薪は燃焼後、体積が減りますので、放射性セシウムの量は変わらなくても濃度が濃くなります。
薪を検出した際に出る数値のおよそ182倍になると言われています。
逆算すると、私が使っている薪には1キログラムあたり4.8ベクレルの放射性物質が含まれていることになります。
国は薪の出荷基準値を1キログラム当たり40ベクレル以下であるよう規制しており、
それと比べれば低い数値になります。
なぜ40ベクレルという数値かと言うと、先程述べたように灰になると182倍に濃縮されるからであり、
一般廃棄物処理施設で焼却可能な放射性物質の濃度が1キログラムあたり8,000ベクレル以下であるよう定められているからです。
ちなみに400ベクレルを超える灰は土壌にまいてはいけないとも定められており、
私が使った薪の灰は888ベクレルですので、一般廃棄物として処分しなくてはいけません。
宮城県の薪は震災後およそ2〜5ベクレルの数値が出ていたのは知っておりましたので、
予想通りの結果であったと言えます。
それで燃焼室と調理室が分かれている、フランス式の窯を作ることにしたのですが、
フランス式でも灰は調理室に入ります。
もちろんパンを投入するまえに炉床の掃除をして灰を除去しますが、国の実証実験では直火で調理するピザにおいて、薪に含まれる放射性物質の2%がピザに移行したというデータもありました。
しかし余熱で焼くパンからは検出されなかったので、放射性物質のほとんどが灰に残ったということになります。
灰の管理だけは気をつけねばならないと、灰の溜まる場所も別に作り、鉄の扉を常に閉めて外に舞うことが無いようにしております。
煙突がエルボーせず真っ直ぐ上に伸びているからか、空気の流れも良く燃焼中も灰が空気中に舞うことはありません。
例えとして、こういう試算もあります。
基準値の1キログラムあたり40ベクレルギリギリの薪を薪ストーブとしてひと冬使ったとしても、その被曝量はこどもで0.005ミリシーベルトなんだそうです。
色々数値を並べてしまいましたが、こればかりは個人の価値観にゆだねるしかないと思っていますし、放射能についての考え方はそれぞれの哲学にまで至ると考えています。
ここで私の哲学を語っても、不検出だったと言っても、「それでも薪で焼いたパンは嫌だ」という方がいても仕方ないと思っています。
なのでこれ以上この件で書くことは辞めようと思います。
ご批判や質問など多々あるかもしれません。
それらは甘んじて受けるつもりです。
ただ、それで私たち家族や関係する方々の人格まで否定することは辞めていただきたいと切に願います。
沢山沢山調べて、悩んで、色んな方に相談して、この道を選びました。薪で焼くパンの美味しさに惹かれたし、電気を使う量を減らしたかったのです。ご理解いただけたらと思います。