【上町法印神楽が海を越えて演舞披露】

【上町法印神楽が海を越えて演舞披露】

ハンガリー外交関係樹立150周年、ポーランド国交樹立100周年を記念した事業「神楽中欧公演・祈りと祝い―東北に息づく神楽の伝統―」(#国際交流基金主催)は、2月20日にハンガリーのブダペスト、23日にポーランドのワルシャワ、26日にグダンスクの各会場で開かれ、上町法印神楽(豊里町)が黒森神楽(岩手県宮古市)と共演し、勇壮な演舞を披露しました。

豊里町にある稲荷神社の例大祭に奉納されてきた上町法印神楽は、江戸時代に修験者(法印)が神楽組を組織し、祭礼などで舞ったのが始まりとされています。明治中期以降は、神社の氏子などが継承。現在は1974年に発足した同保存会が担っています。海外公演には、会員18人のうち、10代から60代までの9人が出演しました。

公演に先立ち、市役所で熊谷盛廣市長に出発を報告した保存会の髙橋啓一会長と登米市民族芸能協会の千葉博幸さん。髙橋会長は「震災時に温かく支援してくれた各国へ恩返しがしたい。本物の和太鼓や笛の音色を聴いたことがない人もいる。紙飾りを施した木造の舞台で演目を披露し、日本文化の根底にあるものを広く伝えてきたい」と意気込みを話していました。

ハンガリーに着いた時、現地は夜。街のきらびやかな夜景が出演者らを迎えました。衣装や道具を運んでの移動。空港で衣装ケースが壊れるトラブルもありましたが、現地で調達するなどし、出演者らは舞台で演舞を披露するだけでなく、荷物の運搬、舞台設営の作業なども手分けをしながら公演に臨みました。

公演のチケットは、販売開始から一週間ほどで完売。当日は、大勢の観客が会場を埋め尽くしました。上町法印神楽は、大乗飾りを施した舞台で「道祖(どうそ)」と「日本武尊(やまとたけるのみこと)」の演目を披露。初めて見る神楽にどう対応したらいいか戸惑っていた観客も、演目が進むにつれて気持ちが入り込み、どの会場でも大きな拍手と歓声を上げ、舞台と客席全体が熱気に包まれました。

滞在中、出演者らは、映画・演劇大学やワルシャワ工科大学The Song and Dance Ensembleの学生らと交流。上町法印神楽は、演目に含まれている四方切りの所作などを披露し、御幣束(おへいそく)と扇を手に取った学生も、説明を受けながら動作を一つ一つ体験していました。

髙橋会長は公演を振り返り「文化は違えど、良き伝統はどこでも受け入れられることが分かった。一緒に参加した若い人たちにとっても、いい経験になったと思う。今後もこの伝統のある民俗芸能をしっかり継承していきたい」と初めての海外公演に手応えを感じていました。

※画像は全て(C)井田裕基、国際交流基金提供
※国際交流基金ホームページ
https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/perform/oversea/index.html
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