「シルヴァーの曇りはお店の曇り」

「シルヴァーの曇りはお店の曇り」

僕が飲食を始めて1番最初に教わった仕事らしい仕事。

お皿を運んだり、オーダーを取ったり、そういうのも入ってすぐ教わったけど、これは、おぉプロッぽい話だ〜と、専門技能というか、飲食の人はみんな出来るんだろうなぁみたいな変な憧れというか。少年ながらにドキドキしたものです。

シルヴァーっていうのはカトラリーとも言うけどフォークとかスプーンなどのことです。
素手で持ったりすると手アカもそうだし、汚れがついたりして曇っていく。お湯で洗った後なんかは特に。乾くとすごい目立つんです。それを防ぐために絶対素手で触らない。少し大きめのタオルを1枚広げて両手に持つ。そのタオルを広げたママの片方の手でシルヴァーを持つ。もう片方の手、こちらもタオルを持っておりますが、それで拭きます。そうすると、シルヴァーを素手で触ることなく拭いたり磨いたり出来るんですよね。

シルヴァーの曇りはお店の曇りだからね、って教えてもらって、最初は本当になんにも出来ないけど「お、これはなんか出来そうだぞ」って。「ちゃんとこれだけは最初頑張ろう」って思って、今も守ってます。タオルが広がる範囲でしかその磨いたり拭いたりの作業が出来ないので、なんか面倒だし、たまに素手で触りたい時もあるけど、やっぱりその言葉が過って(よぎって)しまって、ちゃんとやんないとなぁって。
最初に見たものを親鳥だと思ってしまうみたいな感覚。なんかその時代の自分は裏切れないんですよね…

でも、当時は”お店の曇りとは?”って思ってたんだけど、今となってみると、こうゆう仕事も徹底して出来ないっていうことは、他の仕事も徹底できてないんだよね、っていうこと。こういうの凡事徹底っていうんですけど。神は細部に宿る、じゃないけど、そういう仕事1つでそのお店の地力(じりき)とか、大事にしてるものが分かる。

要はそのくらいのことを徹底してやれないお店はダメになっていくぞ、ってことですよね。曇りっていうか汚れっていうか…精神性の話。

なんでもそうだと思うんですけど、自分が大事だなぁとか思っているコトって絶対守ったほうが良くて、しかも徹底してやるべきで、それが出来ないときっと何もかも上手くいかないし、逆に何かを大事にしたければ凡事徹底、曇らないようにしないといけないっていうコトです。

曇ったことしてると人生も曇っていくぞ、と。(おぉ〜)

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カフェを経営して暮らしていくこと|山路 裕希(YUKI YAMAJI)|noteJAMCAFE、gramme店主の山路裕希(やまじゆうき)によるカフェや飲食店について考えるマガジンです。

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